カナダの学校BCITについて

カナダの学校BCITについて

Clock Icon2023.02.11

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British Columbia Institute of Technology (BCIT) は私が Classmethod Canada に入社する少し前に卒業した学校です。カナダ、特にBC州ではよく知られている学校なのですが、日本で知っている人はほとんどいないのではないかと思います。留学したい人、カナダに移住したい人、スキルをアップグレードしたい人、キャリアを変えたい人などにとって選択肢の一つとなるのではないかと思い、今回記事を書くことにしました。
参考情報として、私がこの学校のComputer Information Technology(CIT)というプログラム1を始めたのは30代半ばで、永住権は既に持っていました。日本で社内SEなどITに関わる仕事をしていましたので基礎知識はありましたが、Cloud、DevOps、CI/CD などの比較的新しい技術には全く触れたことがありませんでしたので、リスキリングという目的で行きました。

BCITとは

British Columbia Institute of Technologyはカナダ・BC州の公立の高等教育機関です。 日本語版Wikipediaではブリティッシュ・コロンビア工科大学となっていました。私も便宜上カレッジと言ったり大学と言ったりしますが、公式サイトによると正確にはBCITはcollegeでもuniversityでもないようです。

Different than a college or university, the British Columbia Institute of Technology offers practical, flexible, applied education with instructors who have direct, hands-on experience in their field.
BCIT – Education for a Complex World

カナダでは日本の高校に当たる学校のことをsecondary schoolといい、その後に行く学校を総称してpost-secondaryと呼びますが、universityもcollegeも、BCITもその一種です。 職業訓練が受けられる高等教育機関、という感じでしょうか。
教育分野は多岐にわたっており、自然科学、会計、IT、エンジニアリング、医療・看護などです。バンクーバー周辺では知名度があり人気も高い学校です。

人気の理由

就職率が高い

レポート2によると、2019〜2021年卒業生で卒業後6ヶ月以内に就職した人の割合は97%、平均年収は7万カナダドル=約690万円(2023/2/7時点のレート)とのことです。
就活のサポートも手厚く、レジュメやカバーレター、LinkedInのプロフィールを書くワークショップや、メンター制度、ジョブフェアなども提供してくれます。
就職のために、周辺の有名大学、University of British Colombia (UBC) やSimon Fraser University (SFU) 卒業後にBCITに入学するという学生もいるそうです。実際、高校卒業してすぐBCITに入学してきたクラスメートの割合は低く、4年制大学卒業後に入学してきた、もしくは社会人経験のある学生がほとんどでした。

実践的な教育

実践的な教育を売りにしており、ラボやプロジェクトがたくさんあるので実用的な技術を得ることができるのかなと思います。カナダの他の学校に通った経験がないので比べられませんが、日本の大学と比べると実際の職場を強く意識した授業内容だと感じました。また、私が行っていたプログラムでは現地の企業からプロジェクトを募集し、学生がチームで取り組むというコースも2年間で2回ありました。

Co-opがある

カナダには在学中に企業で働いて単位を取得できるco-opというプログラムがあります。インターンのようなものです。全てではありませんが、多くのプログラムにco-opオプションがあります。Co-opを終えると経歴としてレジュメに書けるので、採用の際に経験を重視するカナダではとても大事です。ただし希望する学生全員が参加できるわけではなく、成績等の条件があります。

Post-Graduation Work Permits (PGWP) が取得できる

BCITは公立学校なので、2年間のプログラムを卒業すると3年間のPGWPを取得できます。雇用主に制限がないオープンワークパーミットなので、どこでも働けます。職業によりますが、1年間働くと永住権が申請できますので、カナダ永住を目指す留学生は多いです。特に中国、韓国の学生が多いという印象です。

ハード(であることをみんな知っている)

BCITで2年間のフルタイムのプログラムに入った場合、4年制大学並の単位数を取らなければならないため、ほぼ毎日授業があるうえにそれぞれの授業からの課題が多いです。プレゼンテーションやプロジェクトもたくさんあり、日々何かしらの締め切りに追われているような感じになります。忙しいことを知っている人が多く、BCITを無事卒業した人はそれなりに真面目に働くだろうと思われることがあるようです。(私のメンター談)

BCITに入るには

入学を希望した場合、出願時に応募要件を満たしている必要があります。英語はもちろん、コンピューター系のプログラムだと数学も必要です。また、医療系では生物など、各分野によって必要とされる科目と点数が違います。

英語

英語を勉強してきた人、自分で勉強を進められる人はIELTS、TOEFL等の公的試験を受験するのが費用も安く、現在の仕事や学業を続けながら要件を満たせる一番効率的な方法だと思います。しかし、私のように全く英語力に自信がないという方は、BCITが提供する英語プログラムを受講して要件を満たしていくという方法もあります。以下の二つのプログラムがあります。

プログラム名 形式 備考
International Student Entry Program (ISEP) Full-time Study Permitもらえる; 留学生向け
Professional English Language Development (PELD) Part-time Study Permitもらえない; 既に永住権がある人が対象

ちなみに私は永住権はあったのですが英語に全く自信がなかったため、ISEPを取ってフルタイムでみっちり勉強しました。
また、希望のCITプログラムに受かるためにはISEP最終レベルを高成績で終える必要があったのですが、Speakingの授業で高得点を取れそうもなかったため、その前に別の語学学校に行ったりもしました。英語の要件満たすのに計10ヶ月ほどかかりました。

数学

数学の要件はBCITのテストを受けるか、数学のコースを受講することで満たすことができます。それほど難しくないです。

おわりに

留学や移住、キャリアチェンジに興味がある人には良いオプションの一つだと思います。
バンクーバーはアジア系移民が多く、日本食も手に入りやすいし、東京と大阪に直行便あるし、日本人にとっては住みやすい街ですよー!


  1. プログラム=学部、のようなイメージ。 
  2. BCIT Student Outcomes Reports for Degree Graduates 2022 Edition 

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